寿老人
資産運用の考え方等がわかるよ
寿老人じゃ。こんにちは「Bonkana」さん。元気かな?
ご質問は
「ドル建ての保険」を途中解約し、その解約返戻金のドルを「為替リスクの少ない」形で円へ換金する方法を教えてほしい、とのこと。
何故「ドル建ての保険」を解約されるかを質問の中で触れておられないので、以下寿老人の推測でお話するがもし間違っていたらごめんなさい。
ここ一年サブプライム問題に端を発した「世界金融恐慌」のもと、
円が独歩高の様相を呈し外貨投資がことごとく裏目となったことから我が国でも外貨ものの解約の嵐が吹きすさんでいるようじゃ。
かなりの為替差損を被った中で何とか「為替
リスクの少ない」円への換金方法は無いものかと考えておられることは理解できる。
しかし「bonkana」さんは、為替の変動を利用して利益を得たいと思っているわけではなく、ただただ更なる
円高による為替差損を避けたいと考えておられるようだから、いつか円安になるまで待つという選択肢は排除されていると理解すべきじゃろう。
毘沙門天じゃ。数ある相場の中で、外国為替相場の予想が一番難しいと言われておる。なぜなら、外国為替相場を予測する際に考慮しなければならない要因が非常に多いからじゃ。そのうえ、昨今の外国為替相場は変動制(ボラティリティ)が異常に大きいのでさらに始末に悪い。
ところで「bonkana」さんのように
「為替の様子を見て」円に換えたいというのは実は為替の変動リスクに身を委ねるということとなる。とすれば、円の動向を占うのは専門家でも難しいようだし、円に換金すると決めたのであれば、
指値注文やオプション(ある値段で売る権利を買う=プットオプションの買い)を活用したりするよりも、
即換金することが一番いい方法であると思う。欲張った指値注文は円が強くなれば執行されないという
リスクがあるし、オプションを利用した場合かなりのコストがかかる。
が、それでは相談者の悩みに対してあまりにも素っ気無いということでいろいろ以下書き連ねてみたいと思う。
ところで「bonkana」さんは、そもそも何故外貨建ての保険に加入され、また何故この時期に解約という選択をされたのかな?恐らく、ドル建ての保険は金利が高い、或いは外貨投資が流行っていたからと言うところじゃろうが、ここまで円高が進むとは予想していなかったということじゃろう。「bonkana」さんが、おやりになった外貨建て保険への投資は、
所謂「円キャリー・トレード」と言われるものじゃ。
何故現在「円独歩高」と言われるのかといえば、ここ数年超低金利の円を借り、高金利通貨に投資するという世界中で流行った
「円キャリー・トレード」の巻き戻しが、本年9月以降世界金融恐慌とともにパニック的な様相を呈して一斉に起こったからじゃ。
現在の「円独歩高」という現象は、実はドル以外の通貨(ユーロや豪州等の高金利国通貨、新興国通貨)に対して顕著じゃ。幸いなことに逆にドルはここ数ヶ月買い戻されている。ドル円の動向はその意味では、
今のところ比較的安定しているといえる。
現在世界で起きている「円キャリー・トレード」の巻き戻しは、半端ではない。米国の住宅バブルの崩壊を契機としたサブプライム・ローン問題の顕在化、そして
何十倍ものレバレッジをかけた投資の巻き戻しじゃからその破壊力は市場参加者の想像を超えるものとなった。世界の市場が核戦争による爆弾攻撃で焦土と化したといっても過言ではない。現在世界の政府・中央銀行は、何とかこの破壊兵器核の爆発の連鎖を抑えようと協調した行動をとっている。
1929年当時の「世界大恐慌」時と異なることは、
世界が協調して財政出動や金融緩和の行動を取っている点じゃ。現在も油断は出来ないとはいえ、今後も各国政府、とりわけ今回の危機の震源地である米国の財政出動が期待されており、今後も何度か危機に見舞われるとしても所謂パニック売りは峠を過ぎたものと考えていいのかも知れんな(楽観的過ぎる?!)。
寿老人は、今後数年世界は成長減速感が漂うとしても、協調した財政・金融政策が功を奏し再び世界が経済成長軌道に乗ることを期待したい。
毘沙門天じゃ。わしも楽観視したいが、いまだ膨張した信用供与の収縮過程にあるのは事実じゃから、その過程で市場においては、過剰な資産の整理に伴う急落急騰がまだ起こり得ることは心しておかれた方がよろしいであろうのう。
ところで寿老人は一貫して
長期国際分散投資を投資の王道と考えてきた。とりわけわが国のように少子高齢化が急速に進み、経済の潜在成長率が1%台の国では、投資における期待運用利回りは低水準に止まらざるを得ない。
従って
国際分散投資は必然的な投資行動である、と。
しかし、昨今この
国際分散投資に対する風当たりが強くなっている。結局、
今回のサブプライム・バブル崩壊で国際分散投資は有効性を示さなかったどころか、円の独歩高によって結局国内投資に集中していたほうが運用成績は良かったのではという指摘であり、「貯蓄から投資」へという流れが今回のサブプライムを契機とした世界金融恐慌によって否定されたのではという見解である。
こうした見解や意見に対して寿老人は、再度長期
国際分散投資こそが日本人にとって投資の王道であることを強調しておきたい。
分散投資とは、
リスクを抑える唯一の方法であり、相関係数の水準、方向に関して十分留意を払うことが出来ていれば、今回のサブプライム・バブル崩壊の影響をかなりの程度避けられたことを指摘しておけば十分であろう。
まさに恐慌が起きる二年前、2006年の春から各資産クラスの相関係数がかなり上昇し、分散効果が殺がれ始めていることに気が付くべきだったのではないかと考える。すべての資産価格(
日本債券を除く)が同じ方向=価格上昇に動いていたことは資産バブルと言わずして何と言おう。
この背景には、
レバレッジを高めた、グローバル投資家(
ヘッジファンドを含む)が同方向に資金を動かした結果であったようだ。長期
国際分散投資が投資の王道であり続ける前提は、分散効果にあり、相関係数が上昇した段階では、
リスク資産を減らし安全資産、日本国債や現金を増やすことで暴落の被害を最小限に抑えられたことは間違いない。
要するに、
国際分散投資が有効性を失ったのではなく、分散していなかったから暴落から逃れられなかったのであるといって間違いない。あまりにも高い
レバレッジと世界経済のグローバル化が各資産クラスの相関を高めたが、金融機関や
ヘッジファンド等の国際投資家の
レバレッジ比率の低下と共に今後相関を薄めていくことが予想され、
分散投資が有効に機能することが期待される。
以上書き連ねたように、
所謂「円のキャリー・トレード」の巻き戻しの過程の中でドル円の動向は予断を許さない状況であるが、即円に換金することも一考に値するじゃろう。
保険の解約金は、恐らく保険会社から相談者の銀行の外貨預金口座に送金されるはずじゃ。
換金手数料が高いとしてもその銀行で円に即換金するか、或いは証券会社やFX業者に外貨を送金しそこで円に換金するという方法がある。当然、他の金融機関へ外貨を送金する場合、銀行はかなりの送金手数料を請求する。各金融機関にはドルの金額次第でいろいろ
換金手数料や送金手数料の優遇制度や指値注文のサービスがあるようじゃが、10万ドル相当額以下では優遇制度の適用は受けられないこともあるようじゃ。
毘沙門天じゃ。為替手数料ないしは外貨交換スプレッドが有利な金融商品取引業者が仮に見つかったとしても、小口の外貨の場合その業者に外貨を送金する際の送金手数料を考慮すると割高になる場合が多いと思う。従って外貨を受け取られる銀行で円に換えられたら良いのではないかのう。
弁財天よ。「bonkana」さんの質問は「為替リスクの少ないドルから円への換金方法」っていうことだけど、換金方法においてリスクを軽減するには、為替リスクを分散するために、一度より数回に分けて換金することをオススメします。なぜなら、現在の円ドル相場は一日で1円2円動くことのある大変荒れた最中だからよ。そんなに動いたら、高いと言われている送金手数料以上の負担になるわよねっ!だって、仮に5万ドルの保有だとしたら、もし、銀行に換金をお願いした日の為替レートが97円で、明日には99円になっていたら、10万円も受取額が変わるのよ~、「bonkana」さんも、いやになっちゃうわよねっ!!
あくまで、相場観で様子を見て換金するということではなく、たとえば1週間ごとに3回に分けて換金するなどすれば、「やるだけのことはやった」ということで、逆にすっきりするのではないかしら?
最近の市場の乱高下を見ておると、為替相場の様子を見て「うまくドルを円に換える」ことは、津波の中で冷静に判断できないのと同様になかなか至難の技のように思われる。
為替の変動を利用して利益を上げる、或いは各通貨国の金利差を利用して収益を上げるというような「円キャリー・トレード」を行うことが選択肢にないということであれば、「bonkana」さんの取引銀行がドルの円への換金に当たってどのような優遇サービスを提供しているかをお問い合わせされた方がいいように思う。なかなかに高い送金手数料(数千円)を支払ってまで
証券会社や
FX業者に送金するということは、為替変動
リスクを甘んじて受け、利益を上げることを目的にした場合には選択肢となるが、「bonkana」さんにとっては煩わしいだけじゃろう。
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