福禄寿
資産運用の考え方等がわかるよ
はじめまして、「神風おばさん」さまの回答をさせていただく福禄寿です。「神風おばさん」さまのご質問はとてもタイムリーだと思います。
ウォール街(アメリカの金融の中心地)に「強き相場は、絶望の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成長し、幸福の中で消えて行く」という格言がありますが、まさに絶望の淵にある昨今の状況は、投資を考える最高のタイミングかもしれません。
しかし、株は、銀行預金と違って、絶対に大丈夫ということはありません。そこで、投資に臨むに当たっていくつか注意する点があります。まず、「投資家」(investor)と「
投機家」(speculator)の違いを理解したうえで、「投資」を心掛けることです。
短絡的な「お金儲け」、いわゆる投機は、いかなるマーケットにおいても、最終的には失敗することが多いのです。
仮に短期的には資産を何倍かに増やすことはあっても、時が経つにつれて初心を忘れてしまい、運用に対する自信を持ち始め、欲も膨らみます。そして、それを抑え込む精神力がないと、過大な金額を注ぎ込んでしまい、毎日のように株価が気になり始め、マーケットでさまざまな危険信号が出ているにもかかわらず、冷静な判断ができなくなり、マーケットの変動に対する処置を誤ってしまい、最後は惨めな結果になってしまうことがよくあります。
不思議なことに、
人は、欲が出始めると、株価が下がって「大損すること」と同様に、株価が上昇した場合を考えて「儲け損なうこと」も大きな恐怖になってしまいます。ですから、しばらく何も運用しないでいることにも、かなりの忍耐力が必要です。しかし、残念ながら、超人的に冷静な人や余程の変わり者でない限り、普通の人は自制する精神力や忍耐力を持ち合わせていません。
そこで、その精神力や忍耐力を「
投機」ほど、要しないで運用する手法こそが、「投資」なのです。投資家の父と言われているベンジャミン・グレアム(1894-1976米国)は、
「賢明なる投資家」(「The Intelligent Investor」という著書の中で、「投資家と
投機家のもっとも現実的な相違は、その人が市場変動に対してどのような態度で臨むかという点である。
投機家の最大の関心事は、株価の変動を予測してそれによって利益を得ることである。投資家の関心事は、適正な価格で取得して保有することである。」と述べています。ちなみに、現代の最も著名な投資家であるウォーレン・バフェットは、若いころその本に出会い、グレアムに師事した時期もありました。
投資と
投機の違いについては、下記の表(
2007年5月10日更新分より)を参考にしてみてください。
さて、ご質問の、
よい銘柄を選ぶコツですが、残念ながらその必勝法はありません。教科書的には長期保有を前提に、業績が良く、将来性のある銘柄を探すことと言いますが、そうした銘柄は常に注目されて人気も高く株価が割高になっている場合もあります。そして、もし業績が悪化して多くの投資家の期待を裏切ったときには、株価が大きく下落することも考えられます。ただ、ここで一つできるアドバイスは、上場会社とはいえさまざまな会社があるので、
経営内容が不透明な会社や監査法人の意見が出ているような会社は、株価が安かったり、株価の変化率も大きかったりするため魅力的に見えるかもしれませんが、
投資の初心者は手を出さないほうが良いでしょう。
毘沙門天じゃ。長期的な視点に立てば、今が買い場の銘柄もあるはずじゃ。じゃが、買い場にあるとは言っても、短期的にはもう株価が下がらないかどうかは誰にもわからない。買い場だと思って買ってもそこから10%~20%下落することはざらじゃ。相場は常にオーバーシュートするからな。だから、安値圏にあると思われる銘柄を何回かに分けて買い、長期で保有する心構えが必要じゃ。
さて、次に別の側面から投資を考えてみます。
株式投資に関して、「人の行く裏に道あり、花の山」という格言があります。これは株式市場で利益を得るためには、他の人とは違う行動をとらなくてはいけない、という意味です。
長期投資を前提に考えた場合、人気のない(注目している人が少ない)銘柄を買い、人気が出てきたら(みなが注目していたら)売ることが大切です。つまり、10人中10人が注目していて、いい銘柄と判断したときには、10人が保有しそれ以上買う人がいないので、株価は最高値になってしまうことがあります。株価は需給に操られていますので、
理想的なパターンの一つは、会社の内容が面白そうであっても注目している人が少な会社、たとえば
10人中1人が注目しているような銘柄に投資をして、徐々に注目を浴びて、株価が上昇するにしたがって好材料が報じられるなどして、そして、にわか投資家(投機家)による買い付けが増えてきたら、売却することです。
この場合の投資家(
投機家)による
人気は「出来高」を見ることで判断できます。出来高が多いときは、取引が活発にされているわけで、注目している投資家が多く、短期売買が活発に行われている可能性があり、逆に出来高が少ないときは、取引が少なく、注目している投資家も少なく、株価もあまり動かない場合が多いのです。ただし、このときは、大量のクロス取引などの特殊要因による出来高を除いて考えてください。
最後に、銘柄と時間を分散する投資について述べます。繰り返しになりますが、人はみな多かれ少なかれ欲や感情に支配されています。仮に一つ銘柄にその人にとって過大な金額の投資をした場合は、その株価が上昇した場合は、喜んで、欲が出しまい、売却のサインが出ているにもかかわらず保有し続けたり、中には確信して借金をして買い増ししたりしてしまい、逆に下落したときには、その損失額の大きさに不安になってしまい、夜寝るときも気になって、本来は買うべき時に売却してしまったりします。
株式投資には一喜一憂や喜怒哀楽は禁物です。売買の判断では、欲や感情を断ち切った冷静さが必要です。その環境に近づけるために、複数の異なる動きの銘柄に分散して
ポートフォリオを組むことをお勧めします。それぞれの投資家にとって過大な金額でなければ、株価の変動による一喜一憂も少なくて済み、売買にあたっても冷静な判断ができます。そして、時間分散についてですが、購入するタイミングも2、3回に分けて買うつもりで投資したほうが良いかもしれません。どんなに業績を順調に伸ばしている会社でも、昨今の株価暴落のように、株価を大きく下げてしまうことがしばしばあります。資金的にも余裕をもって投資すべきだと思います。ただし、最初に買付けてからすぐに株価が下落したからといって熱くなって買い増ししては意味がありません。これは
「難平(ナンピン)買い」といって、忌むべき売買手法とされています。
買い増しは焦らず、半年から2年くらいの期間を十分にあけてから検討すると良いと思います。なぜならば、株価が下落し始めても短期間では回復せずに、その傾向がしばらく続き、さらに株価が下落することがよくあるからです。じっくり株価が下げきるまで様子を見て、チャートでは鍋底のような形を形成(ラウンドボトム)しているときが、買い増しのタイミングです。
毘沙門天じゃ。株式投資は1銘柄に投資するよりも、業種をばらして複数の銘柄に投資する方がリスクは軽減する(リターンが安定する)。さらには、日経平均株価やTOPIXといった株価指数に連動するようにつくられたETF(上場投資信託)に投資する方が、もっとリスクは軽減できる。しかも、ETF投資なら、個別企業の業績を気にする必要もなく、マクロ経済動向に注意しておけば良いから、初心者はETF投資から始めるのが良いであろうな。
ここでは、投資に対する考え方の一部をご紹介しましたが、この他にも様々な手法や考え方があります。ちなみに
2008年5月30日更新分の回答にも「投資についての4つの考え方」を記していますのでご参照ください。「神風おばさん」さまは、昨今の状況で株式買い付けを考えられるのですから、「明るく、ずぼら」な性格、言い換えると楽天的な性格が影響しているのかもしれません。
ある程度「ずぼら」なほうが長期投資に向いているかもしれません。しかし、これからは、投資の経験を積み、同時に投資の勉強をされた上で、ご自身の投資方針などを決めて投資することもお勧めします。そしてこの金融危機を契機として最終的に大きな資産を形成されることを期待しています。
現在の株価水準が歴史的に見て魅力的かどうかは、今後の企業の利益見通しに係わるので寿老人は判断できないが、問題は投資未経験の「神風おばさん」が株式を最初の投資対象として考えている点にあるように思う。初心者にとって株式が一番身近な“儲かりそうな”対象なのでしょうかね?最近では、FX取引らしいですが。どちらにしても、株式はリスク=価格の変動はかなり高いことはくれぐれもお忘れにないように。
過去の関連相談
鬼でーす。投機って怖いもんですな。一時いい夢もさせてもらっても、最終的にはすべてを失うって、おーこわこわ。鬼みたいなもんですな。