東海林のり子さんと元気になるマネートーク
株価が上下しても気にしない性格の方は資産運用に向いている
正木 :お金というのは、
使う人の性格に似てくる傾向がありますが、東海林さんは計画的に使うほうですか、それともあると使っちゃいますか。
東海林:若いころは家計簿をつけていたんですよ。でも、だんだんつけなくなって、アバウトになりました。100円が100円のままの価値があるのはわかるのですが、働けばもう少し何とかなるかな、って考えるようになって。でも、
株や投信をやったりしています。勧められて。
正木 :かなり長い間やっていますか。
東海林:15年くらいでしょうか。
正木 :継続してやっておられるというのは凄いですね。
東海林:期間が長いので、プラスになっていることもありますが、明らかにマイナスになっていることもありますね。でも、比較的そういうことに頓着ないんですよ。
正木 :資産運用の肝心要はそれなんですよ。
運用成績が頭から離れない方は運用には向かないですね。
東海林:私にはピッタリです。株がドーンと下がっても上がっても、いずれは戻るだろうと考えます。証券会社さんにとっては良いお客だと思いますよ。ドーンと下がっても文句言ったりしないで、ああそうですかって。
トータルで最後にがっくりするほど損はしないだろう、
サブプライムローン問題とか起こっても一時的にそんなものなんだろうな、と思えちゃうんですよ。
正木 :東海林さん、それが一番大事なことなんです。資産運用の鉄則はたくさんありますが、その中でも長期・分散がとても大切なことなのです。今日、明日と短期間の動きにビクビクして、値段に対してあまりにも過敏になっている人は、性格的に資産運用には向きません。
それに1つ大切なことは、
ご自分で持っているお金の働かせ方を区分けしておくことです。
すぐに必要なお金、リスクの獲れないお金は長期の資産運用にはむきませんから。退職金を全部注ぎ込むと、これは夜も眠れないんですね。
東海林:そうですよね。
正木 :もしかすると、みんなで渡れば怖くないという、日本人の国民的性格かもしれないんです。
皆が行くと一斉に動き出して皆が引くと一斉に引く、というように一方通行になりやすい特徴がありますね。過去10年間でもこの傾向がはっきり表れています。バブルの後遺症から抜け出せそうになった1998年頃からIT関連のブームがきました。このブームは2000年前後まで続き株価も上昇しました。その後、ITバブルが崩壊して株式投資はやはりだめだとなりました。みな一斉に市場から離れていったわけです。その後、2003年を底に徐々に上がりだしました。
外国人投資家の資金が流入して株価が上昇すると、個人が活発な売買を繰り返したわけです。いわゆるデイトレーダーと呼ばれる、短期売買による利ザヤ稼ぎ専門家が増えました。この人たちは長期ではなく短期投機家です。儲かりそうになるとどっと入ってきて、駄目だと一斉に逃げ出す人たちなので、彼らの残務処理に負われて大変なんです。
東海林:友達で株式投資を始めた人がいます。朝起きて8時にパソコンに向かい、一日中株価を追いかけます。大変だって、
死にそうになって途中でやめたいといっている奥さんがいます。
正木 :本当にそうなんですよ。
東海林:キリキリ舞いしてもう持たないと言っています。初めは面白くてやったんでしょうけど。
正木 :少し前、FXで5億円儲けた家庭の主婦のことが、テレビなどで話題になりました。FXは為替取引ですが、担保金額の10倍とか20倍買うことができます。
1円上がったら20倍儲かる理屈ですが、ドーンと下がったら生きた心地はしないでしょうね。
東海林:
お金と一緒に命を刻んでいるような感じ。たまにはミュージカルを見に行きましょう、って誘っても余裕がないの。いつも頭にそれがあって。そういう人は結構女の人に多いんですよね。
正木 :表現は悪いかもしれないけれど、お金に使われちゃっている。お金は本来使うための道具です。お金に使われお金の為にやっているという形になっているのは、資産運用からは大きく外れています。それは「投機」ですね。
東海林:そうですよ。お金が貯まっていったとしても、いざそれを楽しく使おうというときに、年老いて歩けなくなっていたら仕方がないじゃないですか。
正木 :東海林さんの場合は投資なんですよ。
持っているお金のある一定部分を投資に回すのは極めて合理的です。明日困るわけじゃない。3年後に困るわけじゃないと思うと忘れていられます。これが一番大事だと思う。
東海林:なるほどね、
正木 : 東海林さんは15年間も株式をお持ちだし、投資信託も持っている。
幾つかのバスケットに卵を分散して入れているわけです。1つのバスケットに全ての卵が入っているわけではないので、株式の卵が割れたとしても他でカバーできます。
それに長く持っていれば、卵が少しずつ大きくなっていきます。お金に振り回されて時間を浪費していたら、ミュージカルを見るという心の余裕はないですよ。
東海林:そうですよね。
ところで、ご主人が定年になって退職金が出たという時に、どういう心構えがあれば、夫婦共々老後に楽しい人生を送れるのかをお聞きしたいですね。
正木 :私はアドバイスする立場の人間として、まずはご自身のプランをお聞きするんです。
ライフプランとマネープランの考えを伺います。
それぞれのご家庭のお金に対する考え方や取り組み方を、いろいろです。お金は面白いもので、その人の性格がお金に乗り移ってしまうところがあります。
東海林:わかりますね。
正木 :ものすごいお金持ちでも、運用成績が気になって仕方がない、という人もたくさんおられます。
毎日電話がかかってきて、あれはどうなっている?これはどうなっている?
結果さえ良ければ上機嫌。
東海林:そういう方って、ダメだと他人のせいにするでしょ。
正木 :そうなんです。こういう人はお金に対する考え方は一生変わりません。お金至上主義というか、すこしかわいそうな気もします。人生ってもっと楽しいはずなのに。
東海林:死ぬまで、あの株はどうなっている、って。お金に自分が束縛されちゃうんですね。
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