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東海林のり子さんと元気になるマネートーク

人間の寿命がつきると同時にお金がなくなるのが理想

東海林:今までは50代とか60代で死にました。でも今は85歳くらいまでは平気で生きています。退職金を貰っても、死ぬまで楽しく生きる為に本当に退職金がもつのかどうか、計算できない。どうやったら良いんですか。

正木 :残念ながら退職金ではまかないきれないケースがでてきています。
日本の年金制度を設計したころとは、基礎的条件がかなり違うからです。少子高齢化が予想以上に進んで、年金財政が成り立たなくなってきていますから。しかしながら、われわれ団塊の世代は、なんとか年金の恩恵にあずかれる可能性が残っている世代だと思います。
まずは、現在の資産のたな下ろしをすることから始めるのはいいのではないでしょうか。

現在ある資産(預金・不動産など)と住宅ローンなどの負債との差額を計算してみることで、今後活用できる資産の総額を把握することが大切です。
年金で入ってくるお金(キャッシュフロー)、今あるお金が何%の金利を生んでくれるかを計算すると、「あなたのお金の人生は何歳までです」というのが出ます。
これでお金の寿命が予測できるわけです。お金の寿命より人間の寿命が長い場合は、何か対策を考えなければなりません。

東海林:60歳ってまだピンピンしています。お金が死ぬまで間に合うよ、一生いける、と思ったら大間違い。
最後までどうやってお金を持っていられるか、それが運用だと思うのですが、そこで気を抜いて使ってしまったら、後が困りますね。

正木 :転ばぬ先の杖、そうなってからでは遅いので早めに準備することが大切です。でも方法は限られています。働いて収入を増やすか、使うお金を減らしてお金の命を長くするか。
増やすか、使うのを減らすか、この間にマジックは存在しません。

東海林:そうですよね。

正木 :もう1つの方法は、蓄えてあったお金を働かせることです。今すぐはじめて、できるがけ運用期間を長くすることで時間を活用できるからです。
期間が長くなると多少リスクを取れるようになりますので、今まで債券でしか運用してこなかったのが、一部株式型の投資信託に切り替えることもできます。このお金が生んでくれる期間が15年先だと計算すると、今よりも多くのリターンを生んでくれるかもしれない。
お金の寿命が先に伸びます。だから、自分で働くか、お金に働かせるかですね。

東海林:そうですよね。
自分で働くといっても、奥さんが集まってお惣菜屋さんを開いても大して儲からない。何となく儲かりそうだと思っても、赤字が出るケースもあるので選択が難しいですね。

正木 :「私たちが作った方があの店よりも絶対においしいわよね、あっちが50円だから私たちのは60円で売れるね」と「たられば」で甘い計算で起業する。原価計算までしっかりしているケースは少ないですからね。

東海林:気分だけが先行して、お金のことは考えていませんね。

正木 :原材料や原価などの計算が幾らで、他の経費を入れた時の単位あたりのコストが幾らで、と細かい計算をしないでやってしまう。

東海林:どういう方法をとったら、退職後も安心して暮らしていけるのか知りたいですね。

正木 :私は団塊世代なので、一所懸命会社のために働けば、会社が裕福になり国も豊になる、そのリターンが将来戻ってくるので、それで老後の生活はできると思っていました。
が、現実は違いました。
アメリカのやり方が全て正しいとは思わないが、アメリカ人の30代40代の資産や将来に対する考え方は学ぶべきものがあります。

東海林:彼らはハッピーリタイアメントとかで、若いうちにバリバリ働いて、早くリタイアして人生を楽しむようですね。

正木 :日本人は貯蓄好きだといわれますが、アメリカ人も貯蓄が好きですよ。でも銀行に預けるのではなく、自分の会社の株を買ったり、投資信託を買います。401k(確定拠出型年金)という制度があり、税金のメリットを織り込んだ投資信託の運用方法もあります。
日本でも数年前から一部取り入れられています。アメリカの個人年年金制度でもっと面白いのは、IRA(インディビデュアル・リタイアメントアカウント)という制度です。「私はこの口座で溜めたお金は将来使うので税金を掛けないで」という制度があります。

東海林:へえ、それはいいですね。

正木 :企業年金とは別にこの制度を使って60歳になるまでずっと溜めておく(運用しておく)制度タックスセイブできます。これで個人の年金を作ることができます。
方法が何通りもあるので、どの道を選んでいくかを自分の意思で選択できます。残念ながら日本にはないのですが、若いうちから何十年か掛けて自分の資産を作っていくという考え方は学んで欲しいですね。一番のメリットは時間ですから。

東海林:でも若い時期は、それほどお金がないでしょう。元手はどうするのですか。

正木 :アインシュタインもびっくりという複利の法則を使えば良いのです。利息を再投資することで利息が利息を生むという考え方で10年20年経つと途中から急激に増えます。
最初から500万円ないと資産運用できないと考えるのは正しくありません。毎月銀行に2万円、投資信託を毎月3万円、と買っていきます。

これが累積していくと、安定的に蓄えたものとインベストメントリスクをとったものの結果が総合的にとれるようになる。
定年後のお金を20代から蓄えておく、この習慣をつけないかぎり、会社にも年金に頼れない時代のなかで、安心で快適な老後を楽しむことが難しいでしょうね。

東海林:でも、すでに退職しちゃった人には難しいですね。

正木 :退職して手元に退職金が2000万円あるので安心している顔を見かけますが、2000万円は安心できる金額ではありません。瞬間は良いんです。
ですから、働ける間は働くことを考えるのが先決です。大会社にいた人ほど次に大きな収入を求める傾向にありますが、かなり難しいというのが実情です。基本は自由の時間と働く時間の配分です。

東海林:それは自覚したほうがいいですね。時間が自由になったから、あそこに行きましょう、ここに行きましょうというわけにはいかない。お金は減るのが早いですから。

正木 :私たちの世代の年金満額需給は64歳で、60歳で退職するとこの4年間が怖いですよ。無収入世代ですから、ジッとしてなるべく使わない。粗大生ゴミと言われようと、ジッと我慢。お金が多少使えるようになってから動き出そうとすると、足腰が立たなくなっていますね。

東海林:そうですよ。たぶん気力もなくなる。歩き続けていないと歩けません。退職後の第二の人生で、海外移住している人もいますね。お金の価値が違うし、物価も安いからって。

正木 :例えばオーストラリアには退職者むけのプログラムがあります。期間4年の期間限定ビザで移住できる制度です。大都市などで資産75万豪ドル(日本年で7500万円)以上、
地方ならば50万豪ドル(日本で5000万円)以上の資産があることが移住の条件です。たとえば日本円で5000万円を現地の銀行に預けるとオーストラリアドルで5%か6%の金利がつきます。税金を考えないと250万円です。これに年金を足すと35万円程度。オーストラリアで35万円ならまあまあかな。
でも、これは事前に5000万円預金しても余裕がある人たちの場合です。

東海林:そうですね。誰にでもできる話ではないですね。

正木 :私の妻の友人で、学校の先生を退職してフィリピンに移住した方がいます。独身なのですが、2000万円でフィリピンの日本人が比較的住んでいる地域にマンションを買って、今はものすごくエンジョイしている。

東海林:えらいな。

正木 :フィリピンで日本語を教えています。

東海林:少しは収入があるんでしょうね。

正木 :そうだと思います。それに教師時代の年金と。

東海林:そういう生き方もあるのですね。

正木 :連れ合いがいると難しい。

東海林:私は行ってみたいけど、夫を引っ張って行くのは大変。そんなところ行けるかい!って(笑い)

正木 :フリーは生涯ずっと現役というのが良いですね。

東海林:定年はないけど、けじめがつかないですよ。

正木 :東海林さんは自分でけじめをつけていますよ。ロックとか、これは楽しいけじめです。

東海林:いろんなことをやるのは、結局、自分の為になっていますね。

正木 :会社に勤務していた時より、私も今のほうが楽しいですね。

東海林:会社の為って面白くないですね。

正木 :最後に東海林さんに、楽しく生きる為の秘訣をお聞きしたいのですが。

東海林:楽しく生きるための秘訣ですか。
そうですね、できるだけ面倒な人間関係を減らしてシンプルに暮らすってことでしょうか。小さい頃から、日本では友達が多いほうがいいといわれてきましたが、多いと疲れます。定年退職したら今までの腐れ縁を断ち切り、嫌いな人とは付き合わないことで、精神的にも楽になるし、お金も時間も節約できます。

正木 :そうですね。私たちは市場経済の中に生きているので、何がしかの経済的基盤があってこそ、個人として自立できるわけですね。

東海林:お金とシンプルな人間関係がマッチすることが、楽しく生きる秘訣でしょうね。

正木 :本日はありがとうございました。
(対談終了)

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“今回の「七福神がゆくマネー思いきり対談」聞き手は、資産の宝船の恵比寿様でお馴染み、
NPO法人・日本IFA協会 副理事長 正木彰夫さん
でした!!”

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